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宇宙保険って何?ロケット打上げリスクと補償│宇宙保険

宇宙保険って何?ロケット打上げリスクと補償│宇宙保険

ロケットが打ち上げに失敗したとき、その損害は誰が払うのだろう。数百億円もの衛星が宇宙に届かず消えてしまったら、事業者は破産してしまうのではないか。実は、そんな巨大リスクを支えている仕組みが「宇宙保険」です。この記事では、宇宙ビジネスの裏側で動く保険の仕組みを、中学生でもわかるように解説します。

今回はかなり調査をしました、この情報は随時更新してまいりますので宜しくお願いします

目次

ロケット打ち上げは「超ハイリスク」な挑戦である

宇宙ビジネスと聞くと、夢やロマンを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、その裏側には想像を超えるリスクが存在します。2023年3月、日本の新型大型ロケット「H3」初号機は打ち上げに失敗し、搭載していた地球観測衛星「だいち3号」が失われました。H3の開発費は約2,000億円以上、衛星の価値も数百億円規模です。たった一度の失敗で、これだけの損害が発生するのが宇宙ビジネスの現実なのです。

日本の新型ロケット「H3」、打ち上げ失敗で指令破壊 – CNN.co.jp

さらに2025年12月には、H3ロケット8号機も打ち上げに失敗し、準天頂衛星「みちびき5号機」を予定の軌道に投入できませんでした。H3は初号機からわずか2年9カ月で2度目の失敗となり、日本の宇宙開発に大きな影響を与えています。

出典:H3ロケット試験機1号機打ち上げ失敗 – Science Portal

「宇宙保険」は自動車保険と同じ損害保険の仲間

宇宙保険と聞くと、とても特殊な商品に思えるかもしれません。しかし、その基本的な仕組みは、私たちが普段加入している自動車保険とまったく同じです。万が一の事故やトラブルに備えて保険料を支払い、何か起きたときに保険金を受け取る。この「もしものときの備え」という考え方は、宇宙でも地上でも変わりません。

宇宙保険は損害保険の一種で、ロケットや人工衛星などを対象として、事故などのさまざまなリスクを補償する保険商品です。 Spacemateロケットの打ち上げ事業者や人工衛星のメーカー、運用会社といった民間企業がおもに利用しています。自動車を買ったら自動車保険に入るように、ロケットや衛星を打ち上げるなら宇宙保険に入る。そう考えると、宇宙がぐっと身近に感じられるのではないでしょうか。

出典:宇宙旅行を支援する取り組みの開始 ~宇宙旅行者向けの保険 …

宇宙保険は「4つの段階」でリスクをカバーする

宇宙保険は、宅配便の配送と同じように「段階ごと」に分かれています。荷物を工場から発送し、輸送中を経て、届け先に届くまでの各段階で異なるリスクがあるように、ロケットや衛星にも段階ごとのリスクが存在します。

まず「打ち上げ前保険」は、工場を出荷してから発射場に到着するまでの輸送過程での損害を補償します。次に「打ち上げ保険」は、打ち上げから宇宙空間に到達するまでを補償します。そして「寿命保険(軌道上保険)」は、宇宙空間に達した後の損害をカバーします。 Nikkei最後に「宇宙賠償責任保険」は、ロケットの打ち上げなどをきっかけに生じた第三者への損害賠償責任をカバーします。

たとえば、輸送中にロケットが破損したら打ち上げ前保険が、打ち上げに失敗したら打ち上げ保険が、宇宙空間で衛星が故障したら寿命保険が、それぞれ損害を補償するのです。このように、宇宙ビジネスのあらゆる段階にリスクがあり、それぞれに対応した保険が用意されています。

出典:三井住友海上など大手損害保険、宇宙保険で100兆円市場に照準 – 日本経済新聞

ロケットが落下したら「打ち上げ事業者」が全責任を負う

ここで気になるのが、もしロケットが落下して地上の誰かに被害を与えたら、誰が責任を負うのかという点です。日本では2018年に施行された「宇宙活動法」によって、このルールが明確に定められています。

ロケットや人工衛星の落下・衝突・爆発によって地上で損害を発生させた場合、打ち上げを行った者が責任を負い、その責任は「無過失責任」とされています。 [3分でわかる宇宙活動法〜第三者損害賠償〜]では、どれだけ注意を払っていても、事故が起きたら打ち上げ事業者が賠償責任を負うとあります。

さらに重要なのは「責任集中」という仕組みです。ロケットの部品メーカー等は事故の被害者から責任追及されるリスクを回避でき、安心して製造できるようになっています。 被害者は「誰に請求すればいいの?」と迷わずに済み、部品メーカーも安心して宇宙産業に参入できる。この仕組みがあるからこそ、日本の宇宙ビジネスは健全に成長できるのです。

出典:3分でわかる宇宙活動法〜第三者損害賠償〜 – note

民間保険では足りない部分は「政府」がカバーする

宇宙の事故は損害額が巨大になることがあります。民間の保険会社だけでは、すべてをカバーしきれないケースも想定されます。そこで日本では、民間保険でカバーできない部分を政府が補償する制度が設けられています。

民間の保険等では埋められない損害を政府が補償することによって、打上げ実施者を救済することが想定されています。 Gvalaw具体的には、保険ではカバーできない特定の損害や、保険金額を超えた部分について、政府が3,500億円を超えない範囲で補償する契約を締結できる仕組みになっています。

この「官民連携」の仕組みがあることで、事業者は安心して宇宙ビジネスに挑戦できます。被害者の救済も確実になり、宇宙産業全体が健全に発展していく土台が整えられているのです。

出典:宇宙保険~民間宇宙活動により生じる損害賠償責任にかかる法制度の概観~ – GVA法律事務所

宇宙保険市場は2030年代に「100兆円規模」へ成長する

ここまで読んで、「宇宙保険は特殊な世界の話」と感じた方もいるかもしれません。しかし、この市場は今、爆発的な成長期を迎えています。

宇宙ビジネスの世界規模での市場規模は2023年時点で6,300億ドル(約100兆円)。そして、今後は2030年に1兆1,600億ドル(約185兆円)、2035年には1兆7,900億ドル(約286兆円)になると予想されています。

宇宙保険市場も驚異的なペースで拡大しており、2024年時点で約6億9千万ドル(約1,000億円)規模となっています。2033年には9億7千万ドル(約1,400億円)へ拡大すると予測されています。

日本政府も「宇宙産業ビジョン2030」において、2030年代早期に市場規模を約4兆円から約8兆円へ倍増させることを目標として掲げています。 Morning Pitch宇宙ビジネスが成長すれば、それを支える宇宙保険の需要も比例して増加します。まさに、これから大きく伸びていく市場なのです。

出典:「宇宙ビジネス」で最も儲かっている”事業”は何か

なぜ大手保険会社は「宇宙」に力を入れているのか

三井住友海上、東京海上日動、損保ジャパンといった日本の大手損害保険会社は、こぞって宇宙保険の開発に力を入れています。なぜでしょうか。

損保ジャパンでは、1970年代から大型衛星の事業者向けに宇宙保険を提供してきました。宇宙産業が政府中心のプロジェクトから民間のプロジェクトへと移行していったことにより、多くのスタートアップが宇宙ビジネスに参入し、リスクが多様化しています。 Sompo-japan-saiyoそこで同社は2023年度に宇宙ビジネスを専門とする「宇宙産業開発課」を立ち上げました。

東京海上グループは、1970年代から約50年にわたって宇宙産業の発展に貢献しています。 Tokiomarinehd世界全体で宇宙保険の引き受けができる保険会社は30社ほどしかなく、この分野での知見や実績は大きな競争優位性になります。宇宙産業の成長性を見越して、各社が専門人材を育成し、ノウハウを蓄積しているのです。

出典:なぜ”宇宙”に挑み続けるのか – 東京海上ホールディングス
出典:#04 宇宙ビジネス支援 – 損保ジャパン新卒採用サイト

宇宙保険は「オーダーメイド」で設計される

宇宙保険には、一般的な保険とは決定的に異なる特徴があります。それは、案件ごとに「完全オーダーメイド」で保険が設計されることです。

宇宙保険の対象となるロケットの打上げや人工衛星の運用の実績が限られているほか、歴史も浅いため、リスクの確率を統計から導き出す「大数の法則」が適用できません。 Spacemate自動車保険であれば、過去の膨大な事故データから保険料を計算できます。しかし宇宙では、打ち上げの回数自体が限られており、統計的な計算が難しいのです。

そのため、一口に宇宙ビジネスといっても、その内容や目的が多岐にわたるため、案件ごとにオーダーメイド方式で、保険料や保険金額を決めているのが現状です。 Spacemateロケットの種類、打ち上げ場所、搭載する衛星の価値、過去の実績など、あらゆる要素を考慮して、一つひとつの案件に最適な保険が設計されます。

出典:宇宙旅行を支援する取り組みの開始 ~宇宙旅行者向けの保険 …

宇宙旅行にも「保険」が登場している

宇宙保険の世界は、ロケットや衛星だけにとどまりません。将来の宇宙旅行時代に向けて、旅行者向けの保険も開発が進んでいます。

東京海上日動は、宇宙への出発から地上に帰還するまでのリスクを補償する宇宙旅行者向けの保険を提供しています。 Tokyo Marine Nichido宇宙旅行には、無重力を体験できる短時間の弾道飛行から、国際宇宙ステーションへの滞在、さらには月の周回まで、さまざまな形態があります。それぞれの旅行形態に合わせた保険が検討されているのです。

2021年は「宇宙旅行元年」と言われ、宇宙旅行者の数が職業宇宙飛行士の数を上回りました。日本国内でも、民間企業による宇宙旅行サービスの立ち上げが進められています。宇宙旅行が当たり前になる時代に向けて、保険業界も着々と準備を進めています。

出典:宇宙旅行を支援する取り組みの開始 – 東京海上日動火災保険

宇宙ビジネスの裏側を知ることが「投資の第一歩」になる

ここまで読んでいただければ、宇宙ビジネスが単なる夢物語ではなく、しっかりとしたリスク管理の上に成り立っていることがおわかりいただけたと思います。ロケットが失敗しても事業者が破産しないのは、宇宙保険という仕組みがあるからです。被害者がきちんと救済されるのは、法律と政府補償があるからです。

宇宙産業は今、国家主導から民間主導へと大きく転換しています。SpaceXのような民間企業が台頭し、衛星打ち上げのコストは劇的に下がりました。この流れは止まらないでしょう。そして、産業が成長すればするほど、それを支える保険や金融サービスの需要も増えていきます。

5分で図解!宇宙ビジネスが儲かる仕組みを理解したうえで、宇宙保険というリスク管理の世界を知ることは、宇宙ビジネスへの投資を考えるうえで非常に重要な視点を与えてくれます。

宇宙投資をはじめる準備はできましたか?

100兆円規模に成長する宇宙市場。その裏側で動く宇宙保険の仕組み。そして、官民連携でリスクを管理する日本の制度。これらを理解したあなたは、すでに多くの人より一歩先を行っています。

宇宙ビジネスは「夢」だけでなく、「ビジネス」として着実に成長しています。そして、そこには個人投資家が参加できる機会も広がっています。宇宙関連企業の株式、宇宙産業に特化したETF、あるいは宇宙スタートアップへの投資など、選択肢は増え続けています。

宇宙投資の第一歩を踏み出すなら、まずは証券口座を開設することから始めましょう。宇宙という新しいフロンティアへの投資は、あなたの資産形成に新たな可能性をもたらすかもしれません。

宇宙投資の第一歩!おすすめ証券口座ガイドはこちら

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